高単価の人材を目指す
数あるエンジニア案件の中でも、ERPは長い間高単価を維持しているジャンルです。ERPは企業の業務に不可欠な存在ですが、エンジニアはまだまだ不足している状態です。
ERPのコンセプト
ERP(企業資源計画)は、経済学のMRP(資材所要量計画)をヒントに作られました。MPRは、企業の生産コストをできる限り減らす考え方で、ERPは、企業の業務の負担をできる限り減らす考え方です。ERPで資源にあたるのは、製品やサービスの生産に必要な材料だけでなく、人材やお金、情報など、有形無形にかかわらず所有するすべてのものです。資源となる情報の中には、「会計」「人事」「生産」「物流」「販売」などに関する幅広い情報が含まれています。ERPが登場するまでは、それぞれの部署ごとに独立した方法で情報が処理されていました。各部署で処理された情報は、最終的に経営陣のところへ集められます。経営陣はそれらの情報をもとに経営判断を行っていましたが、リアルタイムの情報でないことが誤った経営判断につながることもありました。ERPは、それまでバラバラに処理されていた情報を統合するというコンセプトのもと、業務効率化と経営の健全化に貢献してきました。
業界におけるERPの意味
IT業界において、ERPとはERPパッケージのことを表しています。ERPパッケージは数多くありますが、世界的にシェアが拡大しているSAP社の「SAP ERP(R/3)」やOracle社の「Oracle EBS」など、日本国内での導入実績が豊富なERPパッケージについての知識は持っておくようにしましょう。ただし、ERP市場における2大勢力ともいわれるSAP社とOracle社は、導入コストが高く工期が長いことがネックとなることもあります。近年では、低コストかつ短期で導入が可能なERPパッケージも人気です。ERPをすでに導入している企業の中には、リニューアルやリプレイスを検討している企業も数多くあります。中小企業での導入も増えているので、ERP案件はこれからも増えていくことが予想されます。
高単価の人材になるために必要なこと
ERP開発のエンジニアが高単価の人材として成長するためには、ERPに関する幅広い知識を深く理解していく必要があります。ERP案件は、高単価であればあるほどエンジニア以外の知識が求められます。会計や人事に関する知識、物流に関する知識、顧客の業界に関する知識など、ITエンジニアの仕事に直接関係ない分野の知識は、ERP開発で品質を追い求めるためには不可欠です。グローバル企業にERPを導入する場合、顧客とのやり取りを英語で行うこともあります。この場合、ハイレベルな語学力が求められることになるでしょう。専門性と語学力がレベルアップすればするほど、高単価案件の選択肢を増やすことができます。