主要ERPの特徴とスキル
フリーランスエンジニアがERP開発に参入し、高単価な案件を獲得するには、企業で広く使われている商用ERPパッケージの特徴を掴むことが不可欠です。製品ごとに対象となる業務領域や実際の案件傾向が異なるため、自身のスキルに適した製品を見極める必要があります。需要の高い代表的な製品の特徴を理解することは、自身の強みを活かせる活躍の場を見つけ出すための確かな手がかりとなるはずです。
SAP
商用ERPパッケージの中で非常に大きな世界シェアを誇り、日本国内でも数多くの大企業やグローバル企業に導入されているのがドイツのSAP(エスエーピー)社の製品です。フリーランス向けの案件数も非常に豊富であり、専門性を磨くことで安定した案件確保に繋がりやすい代表格と言われています。SAPは、財務会計(FI)、管理会計(CO)、販売管理(SD)、在庫購買管理(MM)など、企業のあらゆる基幹業務を「モジュール」と呼ばれる単位で網羅しているのが特徴です。現在はクラウド型であるシステムへの移行プロジェクトが世界中で活発に行われており、フリーランスエンジニアへの需要は大きな高まりを見せています。大規模なシステム構築が多く、一度プロジェクトに参画すれば年単位での長期的な参画に繋がりやすいのも魅力です。参入にあたっては、独自の開発環境への理解に加え、企業の財務や物流の仕組みといった「業務フローそのもの」への深い理解(モジュール知識)が強く求められます。システム設計や追加機能開発のフェーズでは、一般的なシステム開発とは異なる特有の標準機能と、クライアントの業務プロセスの適合(Fit & Gap分析)を正しく判断するスキルが重要になります。
Oracle
データベースの領域で高い知名度を持つアメリカのOracle(オラクル)社は、クラウド環境に最適化された柔軟なERPパッケージを展開しています。変化の激しい現代のビジネス環境に迅速に対応できる点が評価され、さまざまな規模の企業で導入が進んでいる状況です。オラクル社が提供する代表的な製品には、大手企業向けのクラウド製品と、中堅・中小企業やスタートアップ向けに特化した「NetSuite(ネットスイート)」があります。特にNetSuiteは、多彩な機能をインターネット経由で利用するクラウド型システムとして誕生しており、迅速な導入と運用のしやすさから近年急速に導入企業を拡大してきました。フリーランスがオラクル製品の案件に携わる際、他システムとのデータ連携や、経営ダッシュボードの構築、企業の要望に応じた独自の画面や機能のカスタマイズ設定を担当することが多くなります。そうした場面において、製品が持つ標準的な業務プロセスをベースにしながら、クライアント企業の経営状況をタイムリーに見える化(数値の視覚化)するためのデータ活用スキルが欠かせません。
Dynamics 365
Windowsやオフィス向けソフトでお馴染みのアメリカのMicrosoft(マイクロソフト)社が提供する「Microsoft Dynamics 365」も、ERP市場で注目を集めている製品です。使い慣れたIT環境とシームレスに連携できることから、業務効率化を目指す企業の間で導入が進んでいます。Dynamics 365の強みは、表計算ソフトや文書作成ソフト、コミュニケーションツールといった、多くの企業が日常的に利用しているマイクロソフト製品と直感的に連携できること。また、同社のクラウドプラットフォームとの親和性も高く、高度なデータ分析やAIを活用した情報集計の仕組みを構築しやすいという特徴を持っています。この製品の案件では、既存のマイクロソフト系システムをすでに運用している企業が対象となることが多く、周辺システムとの外部連携や、企業の固有業務に合わせたアドオン(拡張)機能の追加が主な実務となります。クラウド環境でのシステム構築手順に加え、プログラミングコードの記述を抑えたローコード開発ツールの知識などがあると、フリーランスとして大きな武器になるでしょう。






