パッケージの「開発コスト削減」と「セキュリティの信頼性」
ERPパッケージを導入することには、多くの企業にとってコストやセキュリティの面で大きなメリットがあります。自社開発にしかないメリットもありますが、かかるコストとセキュリティ面のリスクを比較する必要があります。
開発コストを削減できる
基幹業務システムを開発するためには、かなりの時間とコストがかかります。自社開発にもメリットはありますが、納得のいくシステムが完成するまでかなりの期間待つことになるでしょう。よほどの事情がない限り、ERPパッケージを導入したほうが企業にとってのメリットは大きくなります。ERPパッケージには標準的な業務システムの機能が組み込まれており、導入すればすぐに業務を効率化できます。パッケージ化されているとはいえ、必要に応じてカスタマイズしたり、既存のシステム、他のパッケージなどと連携することは可能です。追加開発にかかるコストは、自社開発でゼロからシステムを構築するためにかかるコストとは比較になりません。
安定稼働を実現できる
企業の業務システムは安定的に稼働するものでなければなりません。災害やその他の理由ですぐにシステム障害が発生するようでは、通常の業務に支障が出てしまいます。情報の漏洩や紛失などがあった場合、関係者に多大な迷惑をかけることになります。一度大きなシステム障害を起こしてしまえば、企業の社会的信用を著しく損ねてしまう可能性もあります。この点、パッケージ製品は成熟した状態でリリースされるので、安定稼働を期待できます。
セキュリティの一括管理もできる
企業には、個人情報や取引先情報、クレジットカードなどの情報など、絶対に漏洩させてはならない機密情報が数多くあります。企業の基幹業務システムは、機密情報を狙うハッカーにとっては宝の山です。ERPパッケージは、セキュリティ管理を一元化することでシステムの安全性をより高いものにします。機密性の高い情報は暗号化されるなど、高度なセキュリティ管理を可能にしているパッケージも登場しています。アクセス権限に制限を設けるなど、外部だけでなく内部からの攻撃も想定しています。
現場の負担が大幅に軽減される
ERPパッケージを導入することで企業の基幹システムは統合され、更新やメンテナンスも自動化されると、情報システムを扱う部署の負担は大幅に軽減されます。部署の新設や統廃合も、そのときの必要に応じた対応が可能です。システムメンテナンスやヘルプデスク業務などに取られていたリソースを、他の業務に振り分けられます。ERPパッケージを導入することによって、人手に頼らずできる業務とそうでない業務が明確になり、さらなる業務効率化を図ることができるのです。